2013-11-12 Tue
11月3日に東京医科歯科大学にて行われたインプラント治療の分野における上顎臼歯部骨造成術(サイナスフロアベーション)についての勉強会に参加して参りました。
サイナスフロアベーションとは上顎の臼歯部に骨が不足している方の場合、上顎洞という奥歯の上方に位置する空洞の下部粘膜を押し上げ骨補塡材を入れることにより骨の高さを獲得するという術式のことです。
インプラント治療というと歯を失った部位に人工的な歯根を埋めて歯を植立し噛めるようになるという便利な治療というイメージがあるかもしれません。しかし、その反面リスクがあることも忘れてはいけません。
今回のテーマである、『サイナスフロアベーション』の合併症として『上顎洞炎』を引き起こすケースがあります。これは上顎臼歯部にサイナスフロアベーションを施術する際に、上に記した上顎洞の粘膜に穴があいてしまうことにより感染が起こり上顎洞に膿が溜まってしまう病気です。残念ながら上顎洞炎になってしまった場合の対処法として薬物療法や耳鼻科的治療が必要になることもあります。
今回の勉強会を通じてインプラント治療に限らず、これらのリスクを最小限にすることがとても大切であると改めて痛感しました。当院では、その為に全ての治療において『診査』、『診断』を行うことを若手医師からベテラン医師まで徹底し、併せて口腔外科医、矯正医、歯科衛生士、歯科技工士という専門家と連携を計ることでさらに高度な『診断』を行える環境があります。そうすることがリスクを最小限に抑え、果ては患者さんの安全と安心に繋がることだからです。これらを第一にこれからも日々勉強し、皆様に還元できるように努力していきたいと思います。
歯科医師 藤原 清俊
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